Customer Interview

急成長による、ジェノタイピングラボのワークフローの再評価

処理能力の拡張と効率性向上により、上海ジェノタイピングラボの利益率を最大化

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急成長による、ジェノタイピングラボのワークフローの見直し

はじめに

2003年、South Gene Technology社は、上海を拠点としたゲノムリサーチサービスラボとして設立されました。国際HapMapプロジェクトに参加し、ヒトゲノムのハプロタイプマップの開発においてサンプルのジェノタイピングを行い、中国、カナダ、日本、ナイジェリア、イギリス、アメリカの研究チームを支援しました。2016年、有数の遺伝子検査サービス会社であるShenyou CorporationがSouth Gene Technologyに投資し、中国全域の金融機関やヘルスケア企業へのジェノタイピングサービスの提供を拡大するため、ジョイントベンチャーを設立しました。

2017年には、Shenyou/South Geneのジョイントベンチャーは、複雑な疾患、がんおよび祖先遺伝子マーカーに関する800,000のヒトサンプルのジェノタイピングを行っています。検査数の増加は前年比で30%以上にものぼります。2018年にはサンプル検査数が150万サンプルになると予想され、Shenyouは上海ラボの拡大の必要性を認識するに至りました。Shenyouは、ラボのジェノタイピングスループットを高めるのに必要な装置、人員、サンプルワークフローおよび自動化について判断するため、イルミナのArrayLabコンサルティングサービスと契約を結びました。

iCommunityは、上海ラボの処理能力を拡張し、増大する需要を満たすためにArrayLabコンサルティングサービスと連携することでどのような恩恵を得られたか、ShenyouのCEOであるWeirong Jin博士およびSouth Gene Technologyラボの所長であるHaifeng Wang氏にお話を伺いました。

2017年、Shenyou CorporationはSouth Gene Technologyと共にジョイントベンチャーを設立しました。South Geneは現在、ジョイントベンチャーの中央ラボとして機能しており、上海ラボにおいてジェノタイピングサービスを提供しています。

質問:South Gene Technologyにいつ入社されましたか? また会社の遺伝子検査サービスの方向性はどのように変わりましたか?

Haifeng Wang(HW):私は2004年にジェノタイピングラボのマネージャーとして入社しました。中国で初めてのIllumina BeadArrayシステムを使用するラボでした。当初は、一般的な疾患の研究向けにジェノタイピングサービスを提供することに注力していました。国際HapMapプロジェクトでの研究が終了した後、乾癬、ハンセン病、統合失調症、グレーブス病、2型糖尿病、ループス、大腸がん、肺がんなどを対象とした、複数の複雑な疾患およびがんの研究プロジェクトで研究を行いました。これらの研究を行うためにIllumina BeadChipおよびBeadArrayシステムを使用しました。

質問:Shenyou CorporationがSouth Gene Technologyと共にジョイントベンチャーを立ち上げたのはいつでしょうか?

Weirong Jin(WJ):ジェノタイピングサービスを実施するための中央ラボが必要となり、数十年もの経験を持つSouth Gene Technologyを選びました。当初、ジョイントベンチャーでは、遺伝子検査を顧客向けの特典として提供していた中国の金融機関や保険会社向けにジェノタイピングサービスを実施していました。

質問: Shenyouは金融機関やヘルスケアグループの顧客にどのような検査を提供していますか?

WJ:祖先情報、さまざまな複雑な疾患やがんについての検査を提供しています。祖先遺伝子検査は中国の若者の間でとても人気があります。

質問:こうした検査を実施するのにどのようなテクノロジーを使用しますか?

HW:現状では、私たちの検査のうち90%はNanjingラボでPCRテクノロジーを使用して実施しています。一方、約10%にあたる2000サンプル/週は、上海ラボでiScanシステムおよびInfinium Global Screening Array(GSA)を使用して実施しています。しかし、この状況は変わるでしょう。Infinium Asian Global Screening Array(ASA)に切り替える際に、検査の大半を上海ラボに移す予定です。

「イルミナのArrayLabコンサルティングチームから支援を受けて、ラボの立ち上げの見積もりと計画を行うことができました。」

質問:どのような要因によって、上海ラボのサンプル数が増加したのですか?

WJ:2017年に、私たちはiKang Healthcare Group向けにジェノタイピングサービスを開始しました。iKangは中国全域の34拠点にある120超の施設にて健康診断、疾患スクリーニングなどの付加価値のあるサービスを提供しています。ジェノタイピングを実施する1日あたりのサンプル数は急速に増加しました。

2018年にはもう1つのヘルスケアグループと提携することを見込んでおり、中国全域の数百ものセンターが抱える顧客に遺伝子検査サービスを提供することになります。2つのヘルスケアグループからの検査により、サンプル数は100万~150万サンプル/年にまで増加することが分かりました。こうした成長に合わせるため、South Geneの既存のラボ施設を拡張する必要があることが明らかとなったのです。

質問:イルミナのArrayLabコンサルティングサービスを利用することを決めたのはなぜですか?

WJ:イルミナテクノロジーに慣れていたので、ArrayLabコンサルティングサービスを選びました。今後の検査でGSAおよびASA BeadChip、iScanシステムを使用することになるのは分かっていました。増大するサンプル数に対処するため、イルミナチームから、ワークフローの効率化に向けたアドバイスを得たいと考えました。

HW:2018年には上海ラボの処理数は2000サンプル/週以上となると推定しています。大量のGSAまたはASA BeadChipを処理することには課題があります。こうしたレベルの需要を満たすためにラボを構築する方法やサンプル数の増大に備えて拡張する方法を知りませんでした。

中国での人件費は増加しており、遺伝子検査の収益にはマイナスです。特にラボの人員計画を効率化することが重要になります。イルミナのArrayLabコンサルティングチームから支援を受けて、ラボの立ち上げの見積もりと計画を行うことができました。今年のサンプルスループットの目標を達成するのに必要な人員、装置、BeadChipの在庫数の計算の他、今後のラボの拡張方法も得ることができました。

質問:ArrayLabコンサルティングサービスと連携して、どのような恩恵を得られましたか?

HW:ArrayLabコンサルティングチームからは有益なアドバイスを得ました。ラボの計画を自力で考え出すには何か月もかかったでしょう。ArrayLabコンサルティングチームから得られた計画ほど効果的なものにならなかったはずです。

ArrayLabコンサルティングチームの支援のもと、効率的なワークフローを実現する施設の計画および装置レイアウトを立案できました。これにより、リソースを最大限に活用することができました。人員の配置転換と特定のワークフローの稼働を並行して進めることで、効率的な改善が得られました。また、自動化を組み込んで人件費を削減する方法も勧めていただきました。ラボでは現在、数台のTecan自動分注機を保有しています。

質問:ArrayLabコンサルティングチームが計画を提示してから、上海ラボが立ち上がり稼働するまでどの程度の期間がかかりましたか?

HW:2017年第3四半期にArrayLabコンサルティングサービスチームと連携を開始しました。2か月後には奨められた事項を実施し、サンプルの処理を始めていました。

質問:サンプルを処理したときの納期は何日ですか?

HW:サンプルの受領後、サンプルの処理に4日間、データの解析にもう1週間かかります。お客様の立場からすれば、処理用にサンプルを送付してから約2週間後に解析レポートを入手することになります。

「ArrayLabコンサルティングチームの支援のもと、効率的なワークフローを実現する施設の計画および装置レイアウトを立案できました。これにより、リソースを最大限に活用できました。」

質問:稼働時の1週間あたりのサンプル数はどのくらいですか?

HW:GSAを使用して2000サンプル/週を処理してします。ASAに切り替えれば、処理量は4000サンプル/週にまで増加します。処理能力の面では8000サンプル/週にまで対応できます。

質問:なぜGSAからASA BeadChipに切り替える決断をしたのですか?

HW:GSAのコンテンツは中国人集団にとって最適ではありません。そのため、現在の解析ではGSAとPCRのデータを組み合わせて1つのレポートにしています。ただし、1つのアッセイで結果を得たいと考えています。

ArrayLabコンサルティングチームと協力し、ASA BeadChip用のカスタムコンテンツを開発しています。私たちのカスタムASA BeadChipは、中国人集団の遺伝子座を用いて最適化しています。

質問:ArrayLabコンサルティングチームの支援を受けて実施する次のステップはどのようなものですか?

HW:すべてのジェノタイピングをまもなくASA BeadChipに切り替える予定です。ArrayLabコンサルティングチームと話し合い、ASAのワークフローを最適化し、サンプル処理量を8000サンプル/週にまで拡張するための標準作業プロセスを開発したいと考えています。

質問:中国での遺伝子検査の成長分野はどのようなものですか?

WJ:現状、中国で遺伝子検査を受けている人の90%以上は、費用を自己負担していません。保険会社や金融機関が提供する特典か、医療センター給付の一部かのいずれかです。たとえ支払いをしていなくとも、人々は遺伝子検査の価値に気づいています。ゲノムをもっと知りたいという関心が高まっています。

今後、遺伝子検査を特典として受けた人の10~15%は、疾患リスクや祖先をもっと知るために自分で支払ってでも追加検査を受けるのではないかと予想しています。遺伝子検査への高い関心を活かすため、消費者直販型(DTC)遺伝子検査にも対応できるようサービスを拡大する計画です。見込み顧客を引き込むため、オンラインポータルを利用する予定です。この移行を進める際に、ArrayLabコンサルティングチームとの連携で得られたワークフローの改善と費用効果が有益なものとなり、堅実な利益率を支えることになるでしょう。

会社の将来には、ビックデータが非常に重要になると考えています。遺伝子検査を受ける人の数が増加するにつれ、健康な人の遺伝子データベースも増加していくでしょう。中国人集団でのゲノムに特有の遺伝子マーカーを特定できれば良いと考えています。データを活用することにより、製品を改善し、中国人集団での疾患研究に役立てることができます。

このインタビューに登場するイルミナの製品やシステムについての詳細は、以下のリンクからご覧いただけます:

Infinium Asian Screening Arrayこちら jp.illumina.com/landing/s/asa2017.html

Global Screening Array(GSA)はこちら jp.illumina.com/products/by-type/microarray-kits/infinium-global-screening.html

iScanシステムはこちら www.illumina.com/systems/array-scanners/iscan.html