Customer Interview

効率的なジェノタイピング施設の設置および拡張

東南アジアで拡大する顧客に対応すべく、ハイスループットジェノタイピングラボを立ち上げたPrenetics

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効率的なジェノタイピング施設の立ち上げと拡張

はじめに

Lawrence Tzangh博士は、香港城市大学の博士課程学生であったときにカスタム遺伝子発現マイクロアレイを開発しました。「ポスドク研究では自分の研究のためにマイクロアレイを開発しましたが、私がより興味を抱いていたのは、テクノロジーを活用して社会に貢献し変化をもたらすということでした。」Tzang博士はこう話します。香港城市大学の博士号指導者であったMichael Yang教授はこの取り組みを実現するよう勧め、Tzang博士を支援しました。そして2009年に、二人は共同で分子診断検査会社を設立しました。

若干の成功を収めた後、Tzang博士は、著名な起業家であるGroupon East Asiaの設立者兼前CEOのDanny Yeung氏と協業を開始し、ともに会社名を「Prenetics」に改めました。これは遺伝子検査を通じた疾患予防のビジョンを反映するためでした。今日では、Preneticsはアジアの優れた遺伝子検査およびデジタルヘルスの企業の1つなるまでに発展しています。Preneticsは、ニュートリゲノミクス、ファーマコゲノミクスおよび慢性疾患スクリーニングに注力した検査パネルのベースとして、Infinium Global Screening Array(GSA)を選択しました。また、イルミナのArrayLabコンサルティングサービスとの協力も開始し、今日と将来のニーズを満たせる拡張性の高いハイスループットジェノタイピングラボを計画しました。

iCommunityは今回、新しいジェノタイピングラボの処理能力、リソースプランニング、ラボ立ち上げ、在庫、ハードウェアおよびデータ管理の面で、PreneticsがArrayLabコンサルティングサービスからどのようなサポートを得ることができたのかについて、Tzang博士にお話を伺いました。

Lawrence Tzang博士は、Preneticsの共同設立者兼科学部門の最高責任者です。

質問:2009年に設立したDNA検査会社がPreneticsへと発展した経緯をお聞かせ願えますか?

Lawrence Tzang(LT):私は2009年にMultigene Diagnostics Limitedを設立しました。当時、香港では数少ない診断ラボの1つでした。私たちのビジネスモデルでは、DNA検査機能を持っていない病院、医院および従来型のラボを対象としていました。医師たちがこの新しい方法を知り、次第に受け入れるようになると、事業はある程度の成長を遂げたのですが、この期間は商業的な成功は限られていました。チームには事業に関するノウハウを持つ者がいなかったからです。

そんな中、2014年に私たちは起業家のDanny Yeungと素晴らしい出会いをしました。お互いのミッションは一致していました。社会に変化をもたらしたかったのです。その後の話し合いを経て、Dannyは当社への投資を決定し、最高経営責任者としてPrenetics に加わることになりました。会社名をPreneticsに改め、重要な製品価値提案を明確にし、新しいビジネスモデルを構築しました。お客様のために具体的な成果を生み出す驚くべき製品を創造することにより注力するようになり、会社の規模拡大にすぐにつながりました。

質問:Preneticsが独自のマイクロアレイパネルの開発に着手したのはいつごろですか?

LT:2015年には、ファーマコゲノミクス、ニュートリゲノミクスおよびがんの遺伝子検査に注力していました。自社のテクノロジープラットフォームをリアルタイムPCRからジェノタイピングマイクロアレイおよび次世代シーケンサー(NGS)のプラットフォームに転換し、Infinium BeadChipを自社製品のベースとして使用することに関心を抱きました。

「処理能力のプランニング、装置および人員の評価に関して、ArrayLabチームの持つノウハウにより大きな恩恵を受けました。これらを自力で考え出すには何か月もかかったでしょう...」

質問:Infinium GSAを選択したのはなぜですか?

LT:ビジネスの拡大を図るためには、大規模なサンプル量を検査することになるため、ハイスループットテクノロジーが必要になることが分かっていました。そこで、Infinium GSAと他社製マイクロアレイとの比較試験を実施しました。主要なサンプルである唾液スワブと口腔スワブを使用して、2つのテクノロジーの性能を比較しました。こうしたサンプルの場合、他社製品は感度および特異性に問題があることが分かったのですが、一方のGSAでは99%以上の精度が得られたのです。そのため確信を持って2017年の初期の時点でプラットフォームとしてGSAを選ぶことができました。また、GSAワークフローは自動化が可能であり、その点も会社の成長に伴う事業拡大に貢献しました。

質問:ラボを立ち上げるのに、ArrayLabコンサルティングサービスを選んだのはなぜですか?

LT:拡張性の高いInfinium BeadChipのハイスループットジェノタイピングプラットフォームを構築するには何を行えばよいか分かりませんでした。Infinium BeadChipを使用したときのスループットを予測する経験も、装置とリソースの見積もりを正確に行った経験もありませんでした。検査の実施に1週間あたり何日必要となるのかも判断しなければなりませんでした。こうした情報は私たちがラボを設置し、検査スループットの要求を満たすうえで不可欠でした。

質問:ArrayLabコンサルティングサービスと連携して、どのような経験を得られましたか?

LT:2017年7月にArrayLabコンサルティングサービスチームと連携を開始しました。処理能力のプランニング、装置および人員の評価に関して、ArrayLabチームの持つノウハウにより大きな恩恵を受けました。これらを自力で考え出すには何か月もかかったでしょう。また、計算ミスをしてしまう可能性も高かったはずです。

最初のスループットのニーズを見積もるために販売に関する検討も始めました。ArrayLabコンサルティングサービスチームは、私たちが必要とするシステムとGSAパネルの数量および稼働時の人員要件に関するガイダンスを提供してくれました。現在では、1週間あたり約2000サンプルの検査を行っています。

「私たちのスループットを1週間あたり2500サンプル以上に向上させること、またそのためにどのような装置が必要となるか、ArrayLabチームとすでに話し合っています。」

質問:Preneticsはどのような製品を提供していますか?

LT:Preneticsは、予防を通じた健康改善、潜在的な健康リスクの特定、健康モニタリングを支援する製品を開発することに注力しています。2017年には、ニュートリゲノミクス、ファーマコゲノミクス、がんゲノミクスおよび家族計画スクリーニング向けにカスタマイズしたGSAパネルを開発しました。準備中の製品も多数あります。

質問:サンプル処理の納期は何日ですか?

LT:納期は約10日間です。ただし、サンプルの輸送およびご相談の時間は含まれません。

質問:データ解析では、どのようなソフトウェアを使用しますか?

LT:BeelineソフトウェアとGenomeStudioソフトウェアを使用してデータを解析しています。マニフェストファイルを理解するのにしばらく時間を要しました。当初、GenomeStudioソフトウェアを使用して、各チップ上の700,000の一塩基多型(SNP)を解析していました。600サンプルを解析するのに6時間もかかっていました。時間がかかりすぎでしたね。

私たちのサービスをご提供するには、レポート生成のためにSNPデータの一部だけを解析すればよいことに気づきました。2017年末にBeelineソフトウェアを使い始めたところ、解析時間が大幅に短縮し、1時間に約600サンプルを解析できるようになりました。

質問:今後の目標はどのようなものでしょうか? またプランニングにおいてArrayLabコンサルティングサービスチームからどのような支援を得られるとお考えですか?

LT:2018年に、フィリピン、インドネシア、中国およびヨーロッパで製品販売およびコンサルティングサービスの提供を開始する計画があります。ArrayLabコンサルティングサービスは私たちのパートナーと考えています。私たちのスループットを1週間あたり2500サンプル以上に向上させること、またそのためにどのような装置が必要となるか、ArrayLabチームとすでに話し合っています。次のレベルに事業を成長させる準備をするうえで、ArrayLabチームをリードするCharit Pethiyagoda氏と定期的に話し合いの場を持つことがとても役に立っています。同氏は、自身の経験や、イルミナのシステムや製品を使用する他のラボでの成功事例に基づく専門的なアドバイスを提供してくれます。

2018年も、サンプル調製ワークフローを自動化し、検査からデータ解析までサンプルを追跡するため、ArrayLabチームと連携をする予定です。サンプルを追跡し、ワークフローを最適化するため、バーコード付きサンプルチューブ追跡システムとBaseSpace™ Clarityラボ情報管理システム(LIMS)を追加する予定です。

さらに、開発中の新しいIllumina Asian Screening Array(ASA)への移行についても話し合っています。このアレイにはアジア人集団に特異的なマーカーも含まれています。2018年に切り替えを行い、新製品の開発に利用できることを望んでいます。

このインタビューに登場するイルミナの製品やサービスについての詳細は、以下のリンクからご覧いただけます:

Infinium Asian Screening Arrayはこちら jp.illumina.com/landing/s/asa2017.html

ArrayLabコンサルティングサービスはこちら jp.illumina.com/services/instrument-services-training/consulting.html.

Beelineソフトウェアはこちら jp.illumina.com/techniques/microarrays/array-data-analysis-experimental-design/beeline.html

Genome Studioソフトウェアはこちら jp.illumina.com/techniques/microarrays/array-data-analysis-experimental-design/genomestudio.html

BaseSpace Clarity LIMSはこちら jp.illumina.com/products/by-type/informatics-products/basespace-clarity-lims.html.